町田平和委員会ブログ。

もし8.15で終わっていなかったら、 九州南部、関東への連合軍上陸で、数百万人が死亡したかも知れない! 「オリンピック作戦」「コロネット作戦」についての 町田平和委員会のブログだよ。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)

衆-国土交通委員会 清水信三君 平成13年03月27日

衆-国土交通委員会 清水信三君 平成13年03月27日

○赤松委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、航空事故調査委員会設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人として、東京大学大学院工学系研究科教授家田仁君、航空連合事務局長清水信三君、財団法人鉄道総合技術研究所専務理事佐藤泰生君及び日本乗員組合連絡会議議長川本和弘君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。
 議事の順序でございますが、家田参考人、清水参考人、佐藤参考人、川本参考人の順で、御意見をそれぞれ十分程度お述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、念のため参考人の方々に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、御了承願います。
 なお、参考人及び質疑者におかれましては、御発言の際は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず最初に家田参考人、お願いを申し上げます。

○家田参考人 おはようございます。家田でございます。
 私は、東京大学の社会基盤工学専攻というところで教鞭をとっております。専門は、鉄道や道路などといった交通システムにかかわる工学や、交通政策及び都市政策でございます。
 私は、昨年三月に発生いたしました日比谷線中目黒事故におきまして、事故調査検討会の委員並びに検討会の下に設けられました日比谷線事故調査ワーキンググループのリーダーを務めさせていただきました。また、その前には、この事故調査検討会を立ち上げる契機となりました運輸技術審議会鉄道部会の議論にも参加させていただきました。
 そのような経験を踏まえまして、本日は、特に鉄道事故調査のあり方について意見を述べさせていただきます。
 お手元の配付資料にございますように、まず、日比谷線事故の調査のあらましをお話しいたします。
 まず第一に、事故調査の体制ですが、事故調査検討会とその下のワーキンググループに、大学や鉄道総合技術研究所などからいろいろな分野の多数の専門家を結集し、調査を実施しました。事務局としてのサポートは、当時の運輸省鉄道局の職員の方々にやっていただきました。
 この組織は、手続上は、当時の運輸省鉄道局長の下につくられた懇談会という形だそうでございますけれども、実質的には、かなり活発な活動を行う組織として機能させることができたと考えております。
 これは、もともと事故調査の充実を図るという運輸技術審議会鉄道部会の答申に基づいて日比谷線事故の前年につくられた組織でございます。
 次に、調査の基本方針をお話しいたします。
 これは、実を言うと、あらかじめ明確に定めていたわけではございませんでした。また、事故が発生してからは、こういうような基本的な事柄を議論するというような余裕もほとんどございませんでした。
 ただ、後から振り返ってみますと、おおむね次のような五点が調査関係者の共通の認識になっていたものと思われます。まず第一は、事故の再発防止を目的とする、そしてそのために原因究明と対策提案を行うということです。第二は、極力、客観的な調査方法を採用するということでございます。第三は、極力、早期の成果達成を目指すということでございます。第四は、具体的でかつ現実的な再発防止対策を提案するということでございます。第五は、極力、情報を開示することであります。
 こうした基本的なスタンスは、私は現在でも妥当なものと考えていますが、このような調査方針が調査検討会で堅持できましたことは、一つには、検討会の井口雅一座長の高い見識に基づいた強いリーダーシップのたまものであったと私は考えております。この点、申し添えたいと思います。
 このように、調査検討会は、事故の科学的な原因究明に最大の力点を置きましたので、調査作業の方法論もおのずからかなり広範で、なおかつ密度の高いものとなりました。具体的には、現地調査、車両や線路に関する各種の計測、行政を通じた当該鉄道事業者等からの情報取得、試験列車の夜間走行試験、計算機シミュレーション、得られたデータの分析及び技術的な討論などでございます。
 こうした調査方法によりまして、従来は一部の鉄道事業者を除きますと看過されがちであった車両の輪重バランスの問題などということがおおむね事故の原因と考えられるようなことが明らかになった次第でございます。
 次に、事故調査検討会によって得られました成果の出力を御説明します。
 まず一つは、事故後約七カ月後にでき上がった調査報告書でございます。この最終調査報告書に加えまして、調査の途中でも事故後約四カ月で中間報告を作成しました。
 また、事故の再発防止に向けた実現可能で、なおかつ具体的な防止対策を提言しました。対策に関しては、最終報告の段階のみならず、事故直後それから事故後約一週間後に出した緊急対策やあるいは事故発生箇所での速度規制及びその解除に関する意見をも提案しました。さらに、昨年七月には、鉄道事故調査体制の充実を図るべきであるという意見も、検討会として提言させていただきました。
 続きまして、第二点目の、鉄道事故調査充実の必要性と事故調査のあり方についてお話しいたします。
 まず、その必要性について述べます。
 我が国の鉄道では、他の交通機関あるいは諸外国の鉄道に比べますと、事故の発生は相対的に少なくなっております。しかし、頻度が低いとはいいながらも、社会的な影響も大きい、重大な事故が時折発生しています。また、遅延などの運転阻害事故の発生は、むしろ増大傾向にあります。
 今日、鉄道は、輸送量などから見て成熟期にあり、多くの事業者の経営環境も決して潤沢なものではありません。なおかつ、鉄道事業は、新幹線を運行している世界を代表するような鉄道事業者から、地方の中小事業者、各種のメーカーや整備作業の業者まで、非常に多数の、多様な事業者により営まれています。また、社会の高齢化とともに、現場の人たちの技能にも課題が生じるようになりつつあります。そして、技術の進展とともに、鉄道システムのメンテナンスや、あるいはオペレーションの方法も転換期を迎えています。
 一方、技術基準などにかかわる技術行政も、仕様規定によって事前に厳しく規制する従来の方式から、事前規制はある程度の柔軟性を持った性能規定に変え、同時に、万が一事故が発生した際には、公益的なスタンスから徹底して原因の究明に当たるという事後規制重視型のスタイルに転換が図られてきました。
 さらにまた、我が国は、特に高速、高頻度の都市間旅客鉄道や、あるいは大量、高頻度の都市鉄道では、ハード面及びソフト面ともに世界をリードする立場にあり、安全問題に関しても、世界に対して情報発信し社会に貢献する、こういうスタンスが不可欠でございます。
 こうしたさまざまな視点からいって、科学的に充実した事故調査が実施され、その成果が的確に実務に反映されるような体制を整備することは、やはり社会的な急務であると思います。
 次に、事故調査のあり方について意見を申し上げます。
 第一に重要なことは、調査が、客観的な主体による、科学的で公正なものであるべきことです。
 第二は、事故調査が、事故の再発防止を目的とした事故原因の解明と対策提案にあることを十分に確認することが重要です。この点、違法行為の有無と責任の所在とを明らかにすることを主眼とする刑事司法捜査とは根本的に異なることに注意が必要です。
 第三に、事故調査に当たっては、ハード面、ソフト面の直接的要因ばかりでなく、その背後に潜む潜在的な要因を含めて、事故の本質に迫る調査であるべきことです。
 第四に、既存のルールに違反したかどうかという点にとどまらず、ルール自身のあり方や、ルールの有無の是非にまで踏み込んだ検討がなされるべきことです。
 第五に、事故の原因解明と再発防止対策の検討に加え、この法案では事故の兆候と呼ばれていますが、いわゆる事故の芽を早期に発見することと、事故後のフォローアップにも十分な配慮が必要であると考えます。
 最後に、事故調査体制の整備のあり方についてお話しします。
 まず、何と言っても実効性、機動性のある効率的な調査組織を極力迅速に整備する必要があります。そのためには、既存の技術面、人材面のストックを最大限に活用して、現実的で実効性の高い組織をつくることが有効と考えます。また、内容のある調査を実施するためには、必要な事情聴取や物件の留置などに関しても十分に強力な権限を付与することが不可欠です。
 一方、長期的視点に立って事故防止を考えますと、事故調査体制の充実と並行して、中小の鉄道事業者などに対する技術面での支援や研修の制度、事故や安全にかかわる情報を社会の共有財産として確実にストックし、それを適宜活用する制度、事故の経験を風化させないための方策、安全情報を世界にも発信する制度など、制度面の充実も必要でしょう。また、事故防止のベースとなる基礎研究を鉄道総合技術研究所等において充実することも、長い目で見て重要なポイントであると考えます。
 いずれにしましても、日比谷線事故調査検討会に参加させていただいた者としましては、事故調査体制が一刻も早く充実されることを切望するものでございます。
 以上で、私の意見陳述を終わらせていただきます。どうも、御清聴ありがとうございました。(拍手)

○赤松委員長 ありがとうございました。
 次に、清水参考人にお願いいたします。

○清水参考人 航空連合の清水です。よろしくお願いします。
 航空連合は約三万人の労働組合、航空及び航空に関連する労働者で集まっている産別組織でありまして、上部団体の方は、今連合に属して活動を行っております。
 私の方からは、今の国内の航空需要の件、加えて、事故調査のあり方について、今回の改正法案の中で幾つか不足点がございますので、それについて中心的に指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 御存じのとおり、国内航空需要は既に年間九千万人を超えまして、今や米国に次ぐ世界第二位の航空大国という形に日本はなっております。その日本におきまして、まさしく事故の発生する確率というのは非常に少ないわけですが、一たん事故が発生しましたならば多くの人命が失われるということもありまして、航空の安全性を高めることについては、まさしくこれは国家的な課題だというふうに思っております。不幸にして事故が発生した場合には、徹底的にその原因を追求、分析した上で、再発防止策を講じること、これが何にも増して重要だというふうに思います。
 事故調査に当たっては、やはり過去の責任を追及するよりも、あくまでも今後の再発を防止する観点、今後の航空の安全を確保する観点に視点を移すべきというふうに考えております。国際民間航空条約第十三附属書においても、事故またはインシデント調査の基本目的は将来の事故またはインシデントの防止である、罪や責任を課すのが調査活動の目的ではないというふうにしています。事故調査を行っている間も、同型の飛行機が世界じゅうの空を飛び交っているわけですので、一刻も早く原因分析をして再発防止を行う、何よりもこれが事故調査の基本だというふうに思っております。そのために事故調査委員会の果たすべき役割というのはますます重要だというふうに思っております。
 今回の改正法案の中では、航空機事故の兆候、インシデントに関しては対象に含めるということでは、一歩前進ということで評価もできます。しかし、その他の改正法案の多くに関しては、鉄道事故調査の整備体制をつくるということにやはり重点が置かれていまして、その他については単なる航空と鉄道をあわせただけにすぎないというふうに考えております。航空事故調査を強化していくというふうに考えている、必要性を持っている我々からしたら、大いに不足があるというふうに思っていますので、事故調査委員会のあるべき姿について、三点ばかり指摘したいというふうに思っております。
 一点目は、独立性確保の問題であります。国際民間航空条約の第十三附属書では、航空事故調査当局は、調査の実施に関し独立性を有し、かつ制限されない権限を有しなければならないと規定されています。ところが、日本の航空事故調査委員会は、設置法に基づきまして、監督官庁である国土交通省の一機関として設置されており、条約の求める独立性については満たしていないというふうに考えます。
 設置法の第四条に、委員長及び委員は独立してその職権を行うという形の明記がありますが、国土交通省内に調査委員会が置かれ、委員や事故調査官を初めとする事務局スタッフは国土交通省の職員である以上、国土交通省からの独立性については、やはり大いに疑問があると指摘せざるを得ません。事故調査の結果、国土交通省の職員に関する不利益となる取り扱いや勧告なども予想されますので、そういう形になれば、事故調査の任務を遂行するに当たって、支障を来す可能性があるというふうに思います。
 アメリカでは一九六六年に、航空事故調査委員会は、もともと他の交通機関事故調査委員会があったのですけれども、それと合体して、新設の国家運輸安全委員会NTSBと言われるものに移されました。組織的には監督官庁であるCABの中に設置されたわけなんですが、しかし、その後進んだ航空機の大型化あるいは技術の高度化、それに伴う航空機事故の大規模化などがありまして、事故調査委員会の中立性なり独立性が非常に求められるということから、一九七四年に運輸省から切り離されて大統領直属となったというふうに聞いております。
 一方、日本では、今回の改正案でも引き続き国土交通省内にとどまるということになっております。日本においても、事故調査委員会については、国土交通省から分離して、内閣に直結させることで独立性を確保する必要があるというふうに思います。具体的には、国家行政組織法第三条による行政機関としての設置を行うべきだというふうに考えております。
 以上が一点目です。
 それから二点目は、体制強化の必要性について述べたいというふうに思います。
 アメリカのNTSBは、航空のみならず、鉄道、船舶、高速道路などの他の交通機関の事故調査も実施し、再発防止を目的に活動しており、委員長以下五名の委員と約四百名のスタッフで構成されています。安全や技術に関する研究を行う調査部署なども設置されているというふうに聞いています。年間予算に関しても、二〇〇一年度に関しては六千五百万ドル、二〇〇二年度以降については七千二百万ドル計上されています。
 これに対して、今の日本の事故調査委員会については、この改正案の前のところはまだ航空のみを対象としていますし、構成しているのは非常勤を含めて五名の委員と三十一名の事務局スタッフにとどまっています。今回の改正法が成立すれば、鉄道事故も調査対象に含まれて守備範囲は広がるんですが、すべての交通モードについてカバーできるわけでもありませんし、若干の人員増はあるものですが、調査研究を行う専門的なスタッフを多く抱えるというふうになるわけでもありません。日進月歩の技術革新に対応するための事故調としての体制は引き続き不足しているというふうに思います。
 事故調査委員会においては、航空会社とかメーカーと日常的に情報交換並びに技術交流を行いながら、同等の知識、技量維持を行うことが不可欠だというふうに思っています。そういう形でいいましたら、アメリカのNTSBを参考に、現代の技術水準に見合った交通全般にわたる安全を担当する、いわば日本版NTSBに関しての設置を目指す必要があるというふうに考えます。
 以上が二点目です。
 三点目、こちらの方は権限強化の必要性について述べたいというふうに思います。
 事故発生のときに一番問題になるのが、事故調査と犯罪捜査、こちらの方の競合であるというふうに思います。刑法上の罪の存否について行われる犯罪捜査は、再発防止のために行われる事故調査とはその目的が異なっており、しかも強制力に裏づけされていることから、犯罪捜査が事故調査に重大な影響を及ぼすというふうに考えております。
 航空事故調査委員会発足に当たって、一九七二年に当時警察庁長官と運輸省事務次官の間に覚書が、その後七五年には細目協定が交わされて、これらによると、犯罪捜査が事故調査に優先するというふうに読み取れます。例えば、覚書では、航空事故調査委員会による関係者からの聴取や関係物品の提出要求などに関しては、あらかじめ捜査機関の意見を聞き、犯罪捜査に支障のないようにするということが盛り込まれていますし、細目協定においては、現場保存、検視あるいは身柄拘束、関係物品の押収などもすべて捜査当局主導型になっているというふうに思います。
 国内で航空機事故が発生した場合には、全国の警察組織の協力を仰がなければ人命救助や現場保存に支障を来すのは間違いありません。ただし、その後は、先ほど申しましたとおり、体制を強化した事故調査委員会が主導的に早急に事故調査を進めるべきだというふうに考えております。
 航空事故はその多くが何らかの過失によるものが大多数でありまして、故意によって引き起こされるケースというのはごくごく少数だというふうに思っております。こうしたことから、犯罪捜査を急ぐ必要性よりも、原因を特定して再発防止策を講じることの方がはるかに急ぐ必要性があるというふうに考えております。
 アメリカでは、NTSBの事故調査は犯罪捜査に対して優先権を与えられており、事故調査の過程において故意であるとの疑いが生じた場合には、司法長官と協議の上、FBIに優先権を譲るというふうに伺っております。日本でも、事故調査を犯罪捜査に優先させる枠組みをつくる必要があるというふうに考えています。
 以上の三点の指摘については、多くの指摘が、日本版NTSBを志向すべきだというふうな内容になっています。これは、先ほど言いましたアメリカに次ぐ世界第二位の航空大国である日本は、アメリカのNTSBの方もいろいろ紆余曲折を経ながら何とか今の形にたどり着いたというふうに思っていますが、そのアメリカのように、独立性を保ち、体制を強化して強い権限を持つ、そういった形での日本型NTSBについて、日本国民全体の理解を得ながら着実に変えていく必要があるというふうに思いますので、ぜひそこについても御検討願いたいというふうに思います。
 以上三点に加えて、正確な情報入手のための免責処分制度の必要性についても一言触れたいというふうに思います。
 情報をより多く正確に集めて原因究明するためには当事者からの事情聴取が欠かせませんが、先ほど言いました、当事者が刑事罰を受けることを恐れて真実を話さないことになれば、原因追求、真実解明について大きな支障が発生します。たとえみずからに、当事者にとっても不利益な内容であっても供述してもらうためには、事情聴取に当たり、故意や重過失でない限り刑事訴追を免除することをぜひ検討できないかというふうに考えております。米国では司法取引という形で刑事訴追を免れるケースが一般的にあると思いますが、日本ではそういうのはなじまないと思いますので、免責処分を制度化して刑事訴追を免除する方法を考えるべきだというふうに考えています。そういうことによって、先ほど言った事故の兆候であるインシデントについても当事者から自発的な形での報告などの件数がふえ、結果的には事故やインシデントの防止につながるというふうに考えておりますので、ぜひ御検討願いたいというふうに思います。
 最後に、今回の事故やインシデントを防ぐそもそもの最重要な課題ということで、今回発生したニアミスに関しまして、空域と管制について一言触れたいというふうに思います。
 現在の日本の空域については、七一年の雫石事故を契機に、民間空域と自衛隊訓練空域を完全分離するために見直されたものではありますが、その後の民間航空交通量の飛躍的な増加、あるいは民間機、自衛隊機の技術革新、性能向上、航行援助施設の性能向上等に伴う見直しというのは一切なされてきていないというふうに思っています。民間航空機の需要増加を踏まえて、現行の民間空域と自衛隊、米軍の訓練、制限空域との完全分離を前提に、民間機の飛行ルートを最優先した抜本的な空域の再編もぜひお願いしたいと思っています。
 加えて、日本の航空管制については、国土交通省、自衛隊、米軍、おのおのが担当しているために、極めて複雑で、情報伝達も煩雑になっていると思いますので、これにつきましても、ぜひ国土交通省の一元化に向けて進めていただきたいというふうに思っています。
 以上で参考人としての意見陳述を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○赤松委員長 ありがとうございました。
 次に、佐藤参考人にお願いいたします。

○佐藤参考人 鉄道総合技術研究所の佐藤でございます。本日は、鉄道事故調査に関し意見を述べる機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
 鉄道総合技術研究所では、第三者機関として、鉄道事故が発生しました場合、事故原因の究明等の委託を受けて、事故調査のお手伝いをいたしております。また、私は、旧国鉄に奉職いたしまして、土木関係の職場であります線路分区、保線区、保線課、施設部などの責任者として鉄道事故に遭遇いたしましたので、その経験も含めまして意見を述べさせていただきます。
 私からは、鉄道事故の調査につきまして、次の三つの点について意見を述べさせていただきます。まず初めに、鉄道事故調査の目的と必要性について述べさせていただきます。次に、調査の進め方について述べさせていただき、最後に、調査の体制について意見を述べさせていただきます。
 鉄道は、世界的に見ますと、過去二百年の歴史の中で絶えず技術の進歩が図られてきましたが、残念ながら、その歴史の中で多くの鉄道事故が発生いたしました。しかし、鉄道では、事故が発生する都度、徹底した事故の原因究明と事故の防止対策が行われて、この積み重ねにより鉄道の安全性が高められ、今日、その安全性は社会に認められて信頼を得ております。鉄道は今後もさまざまな社会の要請にこたえていくこととなると思いますが、その過程において絶えず安全性を高めていくことが大切であると考えており、不幸にして発生する事故については、徹底的に事故原因を究明して、再発防止対策を立て実施することが必要であります。
 鉄道事故の調査は、責任者の特定を目的に行われることがありますが、鉄道の事故調査は、正確な原因究明とそれに基づく的確で効果的な再発防止対策の確立と実行についても目的とすべきであります。
 鉄道は、運輸事業として多くの企業が経営しております。したがいまして、ある場所で事故が発生した場合、その貴重な教訓をすべての鉄道企業において役立てることが必要であり、そのためには、事故の原因究明を専門的に効率よく行い、事故防止対策を全国的に実施に移す体制が必要であると考えます。
 また、鉄道の大事故には、予兆となる小さな事故、すなわちインシデントが存在するという意見があります。このようなインシデントについても、正確な情報を得てその分析を行い、全国的に的確な措置を行って大事故の発生を予防していくことが必要なことであると考えます。
 鉄道事故の調査は、主として事故に関係する鉄道事業者が行ってきました。鉄道総研では、第三者機関といたしまして、鉄道事業者などからの依頼を受けまして、事故の原因究明や再発防止にかかわる調査を行ってまいりました。
 鉄道総研で行われた調査の例を申し上げますと、例えば平成五年の大阪南港ポートタウン線事故の車両の電気部品、これはリレーの動作に関する調査でございますが、これを大阪市交通局から依頼を受けまして報告いたしました。また、昭和六十一年の山陰本線余部鉄橋事故では、旧国鉄から事故調査委員会を引き継ぎ、風と車両の相互作用、列車抑止について調査の対象を絞って検討をし、報告いたした例がございます。JR等、鉄道事業者の事故に関しましては、適宜依頼を受けまして、調査を行ってまいりました。
 したがって、効率的な事故調査を行って原因を究明し、的確で効果的な対策を立てるためには、客観性、公平性の観点から見ますと、なお中立的な第三者機関が中心となり、これに鉄道の専門知識を有する多くの関係者が協力して調査を行うことが必要であると考えております。また、調査活動におきまして、その調査結果を適切な時期にできるだけ公開していく、このようなことが必要であると考えております。
 次に、鉄道事故の調査の進め方について意見を述べさせていただきます。
 鉄道の事故調査におきまして必要不可欠なことは、事故直後の初動調査であると考えております。事故発生後、まず最優先に人命救助が行われることは言うまでもありません。その後行われる事故調査に当たっては、事故現場の状況と関係者の記憶による証言が正確に調査されることが必要であります。
 私が奉職していた当時の旧国鉄の例を申し上げますと、事故の調査は、運転事故報告基準規程、調査要領などに基づいて、詳細に行われました。これによる、当時経験した調査の例では、数百メートルにわたる事故現場とその前後にわたって、まくら木一本ごとに破損状況を調査し、また軌道の狂いは一メートルごとに、レールの摩耗は二メートルごとに、一ミリ単位で正確に測定されました。したがって、実際の調査は、鉄道線路に関して専門的な計測技術を持っている現場の技術係、検査係などの技術者が実施しておりました。また、車両の状態の調査につきましても、破損したすべての車両の部品、車輪についた傷の痕跡、あるいは車輪の形状等について調査報告することとなっており、したがって、車両についてよく知っている機関区、工場等の技術者も協力して調査が行われました。このような調査の方法は現在もJRに継承されていると思います。
 また、鉄道事故の原因究明のためには、事故後に、事故を再現するための走行試験や実験、破損した部品が存在する場合には部品の強度を測定するための試験など、調査を継続して行う必要がある場合があります。
 過去の大事故の例を見ますと、例えば鶴見事故の場合には、国鉄本社に技師長を委員長とする東海道本線鶴見列車事故脱線技術調査委員会が設置され、一定の原因が究明された後も、脱線事故技術調査委員会が四年七カ月にわたって設置されて、走行試験が繰り返され、新しい軌道の保守限度、新しい車輪形状などの効果的な対策が立てられた例があります。
 したがって、事故の原因究明に当たっては、まず疎漏のない調査を行うこと、次に慎重な原因究明を行うこと、そして的確な対策を立てて事故の再発防止に万全を期すことが必要であります。
 最後に、鉄道事故の調査の体制につきまして意見を述べさせていただきます。
 鉄道は、基本的に、線路の上で車両を運転し、信号保安装置で安全を確保するシステムでございます。したがって、鉄道の事故調査では、まず土木部門の線路の専門技術者、そして車両の専門技術者、運転の専門技術者及び電気部門の信号保安装置等の専門技術者が必要であります。これらの土木、車両、運転、電気の専門家が中心となって、協力して調査に当たる体制がまず必要であります。
 不幸にして鉄道の大事故が発生した場合、調査はでき得る限り慎重を期すべきでありますが、当該鉄道を利用しておられる方には、例えば病院に通院されている方、商売に利用されている方など、一刻も早い復旧が必要な方々が多数おられます。したがって、調査に当たっては、鉄道事故に関係するすべての機関と連携し、協力のもとに、効率的に実施されるべきであります。
 実際の事故調査では、専門の調査員のほか、補助として、第三者機関の専門家、学識経験者、鉄道の産業界、あるいは事故にかかわる内容に詳しい技術者等にわたることが考えられますが、これらの方々並びに所属する組織の協力が得られ、必要な要員を直ちに投入できる体制、また、現場の測定に必要な機械器具などが迅速に整えられる体制が必要となります。
 また、事故の原因究明が行われた後に最も大切なことは、的確で効果的な再発防止対策が立てられることであります。したがいまして、原因究明後、対策の効果についての理論的な検証、例えばシミュレーションとか実験的検証、例えば走行試験や基礎的な研究開発が必要となる場合があります。
 このような試験、検証に必要な要員や設備の使用には、引き続き多くの経費がかかることが予想されます。したがって、事故調査を専門とする委員会の活動が十分に行われ、その効果が発揮できるためには、事故調査の委員会と関係の行政組織がこれらの資金を確保すると同時に、その対策が実効を上げるよう、関係行政組織が責任を持って実施する体制が大切であります。
 以上を考えてみますと、今回、日本で初めて鉄道事故の調査委員会が設置されるのであるならば、まずは、従来から鉄道に対して責任と経験を持っており、情報を豊富に有している国土交通省の関係技術組織とできるだけ協調して事故の調査を実施できる体制から始めることが妥当であると考えられます。一日も早く、信頼できる事故調査を行い、実効のある対策を立てる組織がまず構築されることを望むものであります。
 以上をもちまして、私の意見とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。(拍手)

○赤松委員長 ありがとうございました。
 次に、川本参考人にお願いをいたします。

○川本参考人 川本でございます。
 最初に、委員長初め委員の方々に、私どもの意見をこの場で陳述させていただく機会を与えていただきましたことを大変感謝いたしております。ありがとうございます。
 私、日本乗員組合連絡会議の代表、議長を務めておりますが、日本乗員組合連絡会議は、日本の定期航空に働く五千四百人の機長、副操縦士、航空機関士等、いわゆる運航のプロフェッショナルであります運航乗務員で構成する団体でございます。私も現在、ボーイング747の現役の機長でございます。そういう観点から、今般、改正が予定されております航空・鉄道事故調査委員会の改正案につきまして意見を述べさせていただきたいと考えております。
 清水参考人とダブります点はあえて省略して意見を述べさせていただきますが、今般の法律の改正で、事故の兆候、重大なインシデントが新たに事故調査の対象に加えられたことは、私どもの年来の要望でありまして、大変大きな評価をいたしたいと考えております。しかし、その他の部分につきましては、従来の事故調査委員会をそのまま踏襲するという形になっておりまして、種々の点で私たちは不足点を感じておりますので、その点について意見を陳述いたします。
 本年一月二十六日、扇国土交通大臣あてに、航空事故調査委員会設置法改正についての要望を提出いたしております。要旨については、独立性の確保、委員会の機能の充実並びに警察庁長官と運輸省の事務次官の間で取り交わされた覚書の撤廃、この三点になっております。
 なお、さかのぼりまして、約三年前になりますが、一九九八年にも、当時の川崎運輸大臣あてにもほぼ同内容の提言を提出いたしております。
 現在、世界の空には、いわゆるジェット旅客機が約一万一千数百機飛行しているわけでございますが、あるデータによりますと、二〇一五年にはこの機数が約二万五千機程度になるのではないかと言われています。ジェット機の導入以来、事故の発生率が大変減ってきたわけでございますが、この十年前後は、その発生率は減っておりません。これは百万回当たりに一回前後という極めて少ない割合でございますが、減っておりません。
 そういう推移を考えますと、二〇一五年ぐらいには、世界じゅうで一年間に約五十回前後の大事故が発生するのではないかという予測が出されております。そういたしますと、単純に計算いたしますと、これは一週間に一回、世界じゅうのどこかで大変大きな事故が発生するという計算になるわけでございます。したがって、いわゆる事故調査並びに事故の防止というのが国家的なプロジェクトとして取り組まれなければならないというふうに考えておりますが、具体的に、米国では、前ゴア副大統領を中心とした委員会が提言を出しまして、約六百数十億円の予算をかけてNASAでその研究がなされているというふうに私どもは聞いております。
 現在の趨勢はそういうことでございますが、次に、具体的に、私たちは扇大臣に提出した提言をもとに当委員会でぜひ具体的な事故調査の改善をしていただきたいと考えておりますので、その要旨について説明させていただきます。
 まず、事故調査委員会の機能を充実させていただきたいという点でございますが、これについては五点の具体的な提言がございます。
 まず第一点目については、事故調査能力を高めるために、専門委員または専門委員に準ずる者として、航空の実情または事故調査に精通した者を加えるようにお取り計らいいただきたいということでございます。
 我が国航空事故調査の過去の事例を見てみますと、運航の現場における実態等に精通した専門家が不在であったため、調査の過程で基本的な誤りを犯した例が散見されております。こうしたことを防止するためにも、何らかの形でパイロット、航空機関士、客室乗務員、運航管理者、整備、管制、気象等の専門家を調査の実務に参加させていただきたいということでございます。ICAOのアネックス十三には、事故調査官の資質について非常に具体的に触れておりますが、いわゆる極めて専門的で、いわゆる訓練を受けた人がその調査に当たらねばならないとなっておりますが、現在の事故調査委員会、いわゆる運輸省の中のいわゆるローテーション制度の中では、そういう経験を積む機会が大変少なくなってまいります。そういう意味でも、専門家の養成もぜひ図っていただきたい。
 二つ目といたしまして、事故調査委員会の予算を一層充実すること及び臨時の予算執行が可能な制度を新たにつくっていただきたいということでございます。
 航空事故調査委員会の年間の予算は約六、七千万円と聞いております。現在では、大型ジェット機のエンジンを一台分解するのには二千万円程度かかると言われておりまして、例えば四発の飛行機のエンジンですと、これらの検査だけでもほぼ年間予算を消費してしまうというような予算規模でございます。極めて不足しているのではないかと考えております。例えば、ニューヨーク沖で墜落いたしましたTWA八〇〇便という事故がございますが、その事故調査の過程では、残骸のほとんどを引き揚げたわけでございますが、それに費やされた費用は約三十五億円に上ると私どもは聞いております。
 第三点目として、意見聴取会を原則として開催するということに改めていただきたい、及び公述人を幅広く採用するように取り扱っていただきたいということでございます。
 現在の事故調査委員会設置法では、意見聴取会開催の要件として、委員会が必要と認めるとき及び航空運送事業の用に供する航空機の事故であって一般的関心の強いものに限定しております。委員会の裁量にゆだねる範囲がやや広過ぎるのではないかということで、原則として意見聴取会は開催するんだというように改めていただきたいと考えております。
 これまでの聴聞会は、搭乗者に死亡者が発生した場合だとか機体が大破または焼けてしまう、焼損するなど比較的規模の大きな被災の場合に開催されていますが、今改正案の眼目の一つで、重大なインシデントを事故調査の対象に加えるということになりますと、重大なインシデントというのはそういうような事態に至らないので、今の法案の取り扱いでは開催がほとんどされないのではないかというふうに考えております。
 また、意見聴取会に参加できる公述人を現在よりも幅広く、私どもは四点ほど考えておりますが、事故の原因関係者だとか遺族、被害者、それから事故の原因究明、再発防止の検討、被害の拡大防止策の検討などに関して経験を有する個人、団体、それから四点目といたしまして、これら以外で原因究明や再発防止の検討に寄与し得る航空労働者や目撃者、事故等の現場の周辺の住民、その他の団体等もぜひ加えていただきたい。これらの手法は、NTSBが現在でも事故解明の手順として取り入れている手順でございます。
 四点目といたしまして、事故の再調査の手続を法令に明記すること、及び再調査実施の要件について、事故調査委員会の裁量にゆだねられる部分を極力客観的な要因となるように変更していただきたいということでございます。
 現在の設置法並びに運営規則では、再調査の手続については明文が存在しておりません。国際民間航空条約の第十三附属書にはこれに関する明文規定がございます。日乗連は、過去、独自の事故調査を行うことによって原因究明の手がかりになる物的な証拠を提示したり、事故調査委員会とは異なる具体的な意見を表明した経験を持っておりますが、これらは受け入れられておりません。再調査手続に関する明文規定がないことが障害になっているとするならば、新たに規定を設置していただきたいというふうに考えております。
 具体的にはどういう場合かと申しますと、事故調査報告書に記載のない、あるいは確認されていない証拠の存在が報告されたとき、事故報告書または事故調査記録に触れられていない、もしくは見落とされている事柄が指摘されたとき、三点目として事故の技術調査の手法や手続について異議が唱えられたとき、次に、報告書作成後に新たな研究の成果として、事故調査の過程の一部に疑問が呈されるなど、事故原因究明の手続に影響を与える事実が判明したとき等々でございます。
 第五点目として、私どもでは現在ないというふうに考えておりますが、具体的な航空事故技術調査マニュアルを作成していただきまして、設置法の下位規定として位置づけていただきたいということでございます。これも、具体的にはICAOドキュメントとして第十三附属書の下位規定として具体的に定められたものが存在しております。
 以上が現在の事故調査委員会の機能を拡充させていただきたいという中の具体的な提言でございます。
 大きな二点目として、事故調査委員会を各政府機関から完全な独立組織とすることということでございますが、これは先ほど清水参考人が述べられた意見とほぼ重複いたしますので、内容については割愛させていただきます。
 三点目については、旧運輸省、警察庁間の覚書を廃止し、刑事捜査が事故調査の支障とならないように新たな取り決めの確立を求めたいと考えております。
 現行規定では、よく読みますと、警察の捜査が優先するようになっておりますが、警察本来の任務でございます現場の保存だとか人命の救助等に専念するような、新たな視点での取り決めを結んでいただきたいと考えております。
 時間が来ておりますので、これで私の意見陳述を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

○赤松委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――

○赤松委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大村秀章君。

○大村委員 おはようございます。自由民主党の大村秀章でございます。
 本日は、航空、鉄道関係の御専門の四人の先生方に参考人としてお越しをいただきまして、非常に御示唆に富んだ御意見をお述べをいただきましたことを心から厚く御礼申し上げる次第でございます。
 それでは、時間も限られておりますので、早速私の方から参考人の四人の先生方に御質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 今私ども、この現代の社会、経済、我々の生活も、鉄道や航空といった、飛行機といった大量の輸送手段によって成り立っている、大変便利である、それを抜きにしては我々の社会は成り立っていかないということは、もう私が改めて申し上げるまでもないことだと思っております。いろいろなデータを見ても、これまでは鉄道の輸送量というのはすごいものであるわけでありますけれども、特に航空の輸送量が、とにかく落ちることを知らずにどんどん伸びる。これだけ右肩上がりに伸びていくのも珍しいんじゃないかなというぐらいのものだと思っております。そういう便利な、そして私どもの現代の社会、生活に欠かすことのできない高速で大量の輸送手段、これはもうますます重要になるわけでありますけれども、そこに当然必要なのが安全であるわけであります。
 関係者の皆様方がこれまでに培った御経験なり最新の技術も駆使して、乗客そしてまた利用される方の安全を確保されておられることは、本当に私ども敬意と感謝を申し上げる次第でありますけれども、不幸にして時々どうしても、それは人間のやることでありますし、機械、設備のやることであります、一〇〇%、とにかく安全でなきゃいけないわけでありますけれども、必ず全部、全く無事故というわけにもいかないわけであります。そこで、今回、航空・鉄道事故の調査委員会設置法の改正法案を出して、航空事故に加えて鉄道事故ということもこれに加えるということでございますし、新たにインシデントも加えるということでございます。そういう意味で、今回の改正法案、我々はとにかくこの何年かあった大きな事故を踏まえて、これは当然進めていかなければいけない、そのことが利用者、国民に対して果たしていく我々の責任だと思っておるわけであります。
 そこで、きょう、まず鉄道関係につきましてお二人の先生方にお聞きをしたいと思いますが、これまでに大きな鉄道事故に対しまして、家田先生もそして佐藤先生も、それぞれの御専門の立場でまさしく実際に調査に携わってこられた、調査をリードされてこられたというふうにもお聞きをいたしました。
 そして、まず家田先生にお聞きをいたしたいと思いますけれども、昨年三月、ちょうど一年になりましたけれども、例の日比谷線中目黒事故で、大変痛ましい事故でありました。まさしく首都圏の本当に重要な通勤手段であるわけでありまして、あそこでああいう形の事故が起きたということに、私なんかも本当に背筋の寒くなるような思いをいたしましたけれども、その事故調査に当たって、中間報告が四カ月、そしてまた最終報告七カ月といったことで出されたわけであります。あれだけの大きな事故で、そして先ほど、いろいろな専門分野にわたるありとあらゆる専門家をお集めになり、そしてそれを踏まえて調査を進められ、これだけの期間で調査書をつくられたということ、その御苦労なりいろいろなお話を先ほどお聞きをいたしたわけでありますけれども、それについて、今回の事故調査、特にこの中目黒事故は大きな事故でありますが、この事故調査に当たってどういうふうに、まあ先ほど御説明いただいたことに尽きるのかもしれませんけれども、その調査に当たって御苦労された点、特にこうした点がやはり苦労したんだ、また、こうした専門的な分野で関係者の努力が必要なんだということがあればお聞かせをいただきたいと思います。
 あわせまして、よくこういう大きな事故調査のときに課題になるんでありますけれども、実際に調査をされたことと、それをいかに国民なり関係者に伝えていくかという情報公開の問題、これも今後の事故の再発防止そしてまた関係者の関心も考えれば、この情報公開もやはり的確に行っていかなければいけないと思うんです。ただ、実際、急ぐ余り不確定なものを発表するということもできないと思いますし、そこら辺のタイミングと情報公開のやり方は非常に難しい課題だと思いますけれども、この点につきましてもあわせてお伺いできればと思います。

○家田参考人 お答えいたします。
 まず、第一点目の日比谷線の事故調査について特に苦労した点を申し上げますと、一つは、事故調査検討会は日比谷線が初めての経験ですし、常設の組織ではないので、検討会に参加した多くのメンバーが組織づくりとか作業のルーチンとか相互の技術的コミュニケーションに非常にふなれであったところでございます。そこを確立するために、極めて頻繁にミーティングを行ったり、非常に夜間にわたる議論をするというようなことが一つございました。
 それから、むしろ日比谷線の場合にはたまたま問題にならなかった、潜在的な苦労点というのを二つ挙げたいと思うんですが、一つは、東京で起こったために調査がしやすかったところでございます。もしこれが遠隔地で起こったら、ほとんどの調査のメンバーは東京在住でございますので非常に問題が生じた可能性があります。
 それから二点目は、日比谷線の場合、その内容が極めて技術的な側面が多くて、現場の職員の方々の作業ミスによるとか取り扱いミスによるという面がほとんどないわけでございます。そのため、そういう方々に対してこの事故調査検討会が直接事情を伺うというような権限を持っていなかったわけですが、それが余り問題にならなかったことでございます。むしろ鉄道事故というのは、ほとんどの場合に、先ほどの航空の話にもありましたが、取り扱いの問題が多いので、そういったところの権限がないと恐らく苦労することになると思います。
 それからもう一点は、先ほどもお話がございましたように、最終報告を出すまでに約七カ月かかっておるんですが、これは七カ月もかかったというお考えもあるかもしれませんが、むしろ、極めて技術的な事故だったので調査や測定や計算をすることによって七カ月で結論を出すことができたというふうに考えた方がいいと思います。ここにもし職員等の心理的な要素、乗務員の心理的な要素が入ったり、あるいはその他もろもろの制度的な要素が入ると調査期間というのはもう少し長くなる可能性もあるし、あるいは未知の技術的な要素が入るともっと長くなる可能性もございます。
 それからもう一つ、情報公開に関してお答えさせていただきます。
 情報公開は、事故調査の成否にもかかわる極めて重要なポイントだと私は思っています。幾つか理由がございますが、一つは、調査を通じて得られた知見を極力速やかに関係者に伝えるという意味での情報公開、この重要性であります。
 二点目は、調査作業が十分公正なものであるためには情報公開が欠かせないということでございます。事故調査は状況によっては政府の鉄道行政のあり方そのものに対しても何らか物を言っていく必要がありますから、そういったところが重要です。また、私自身は、迅速で効果的な事故調査のためには鉄道事業者やあるいは当該事故の関係者にも何らかの格好で調査に参加してもらうのがむしろ有効だと考えております。ただ、公正な調査を実現するためにはやはり適切な情報公開が必要と思われます。
 それから三つ目の理由は、国民や鉄道事業者あるいは事故の関係者に事故の要因などについて誤った憶測を与えるような事態はぜひ避けなきゃいけませんから、そういうためにもむしろ正確な情報を適切に公開することが必要だと思います。
 日比谷線事故の場合にも、事故調査検討会ではなるべく頻繁に、検討会の実施の都度なんですが、検討事項や得られた結果を文書にまとめましてプレス発表をしたり、あるいはでき上がったレポートをホームページに載せる等のことを努めてきた次第でございます。
 ただ、情報公開に当たりましては、やはり十分な注意が必要なことも事実です。特にこういった問題は安全にかかわる問題ですから、万が一誤報などを行ってかえって危険がもたらされるようなことがあっては大変なことでございますし、また、根拠に欠ける断片的な情報をもたらして事故の関係者に混乱を与えるというような事態も避けなければいけないと思います。こういった視点からしますと、情報公開すべき情報はやはり科学的な視点からきちんとチェックしたものでなければならないし、また情報化する窓口もきちんと一本化しておくという必要があろうかと思います。
 以上、お答えでございます。

○大村委員 ありがとうございました。
 続きまして、同じく鉄道の関係で、佐藤参考人にお聞きをしたいと思います。
 佐藤先生からも非常に、国鉄時代の御経験、そしてまたいろいろな事故調査の御経験もお話をいただきまして、鉄道事故調査の体制、そして調査の進め方、極めて詳細にお聞きをいたしたわけでございます。そして、特に最後のところでいろいろお感じになったことをお聞かせいただきまして大変印象に残りましたけれども、特に鉄道の事故は非常に多くの専門分野にわたるということで、事故調査委員会一つをとっても、もちろんそこで完結すること、そこがもちろん中心になって独立的にやるということが当然必要なわけでありますし、今回、当然この設置法で委員会の委員は「独立してその職権を行う。」ということにもなっておりますし、任命も国会同意ということでもございますし、この独立性は十分保たれておると私は思っておりますが、この独立性を生かして、あわせて、先ほど参考人が言われたように、関係者と、特にそういう技術スタッフをたくさん抱えている部局、国土交通省のそうした技術部局と十分連携をとってやっていくという御示唆、御意見を拝聴した次第でございます。
 そういったことも踏まえまして、どういう事故調査の体制が一番望ましいのか、あり得べき姿なのかということにつきましても、そしてそのことと当然関係するのでありますが、事故調査委員会をどういうふうに全体の関係者でサポートしていくか、支援していくかということも含めて、いま一度そのお考えをお聞かせいただければと思います。

○佐藤参考人 私、旧国鉄に奉職した当時のことから思い起こしまして、どのような調査体制がよいのかということを考えるわけでございますけれども、旧国鉄では本社の運転事故報告基準規程というものがございまして、これに基づきまして鉄道事故の調査がされて、報告されておりました。当時の重大事故には途中脱線事故が非常に多かったので、先ほどお話し申し上げたのもその例でございます。こういう場合ですと、鉄道管理局の運転部の保安課というのが中心になりまして実際やっていたわけでございますけれども、私、土木部門でございますから、保線課長とか保線区長とかあるいは保線支区長の現地の責任者、これが、十数名になったと思いますけれども、非常に多いメンバーでやはり実際の仕事をしなければならなかったというのが実態でございます。
 こういうことを考えますと、これから事故調査をする委員会ができましても、やはりその辺の支援体制、これは非常に大事なことであるだろうと思います。この支援体制を含めまして、家田参考人からもお話がありましたとおり、その対策を立てるためには非常にいろいろなことを考える必要がございますので、それにあわせて非常に多くの専門家が協力するという体制がやはり必要になろうかと思います。
 したがいまして、よく考えてみますと、鉄道の事故調査でございますけれども、まず初動調査をいち早く行って、事故現場の状況とか関係者の証言を記録して、原因究明に必要な車両や線路の部品を特定したり保存するということがまず必要になります。あとは、鉄道システムの特徴から考えますと、土木、車両、運転、電気の専門家、それから、それに加えましていろいろな専門家が検討していくということが必要であろうと思います。
 こういうことを考えますと、まず公平性とか中立性ということが前提になるわけでございますけれども、従来からいろいろな情報を持っていたりあるいは経験を持っているところが協力できる体制をまずつくるということから始めるのがよろしいのではないかというふうに思っているところであります。
 また、こういう事故調査委員会におきましては、高度の技術とあわせまして、いろいろな鉄道事故調査方法を考えたり、あるいは論理的な結論を取りまとめるということも必要になっておりますので、そのようなことを総合的に考えていく、そういう体制が必要ではないかというふうに思っているところであります。

○大村委員 ありがとうございました。
 それでは次に、航空関係に移りたいと存じます。
 大分時間が来てしまいましたので、もっとじっくりお聞きをしたかったのでありますが、航空事故調査委員会はもう長年の歴史もありますし、これまでにも重大な、いろいろな事故についても調査をし、その責任を果たしてきたと思っておりますが、今回、清水参考人そして川本参考人、お二人の先生にお越しをいただきました。まさしく現場でその日常の業務に携わっておられるお二人の先生方の御意見を拝聴いたしまして、大変貴重な御意見、傾聴に値する御意見だったと思っております。
 今回、この航空事故調査委員会に新たに重大インシデントも加えるということは、お二人の先生方が言われましたように、まさしくこれも当然一歩前進だと思っておりますし、こうした事故に至らないまでのものもあわせてしっかり調査をするということも大事なことだと思っております。
 そういう中で、今回、こういったことについての御意見と、そして、その航空現場の実際の業務に携わっておられる代表のお二人の先生方に、もう時間がありませんので申しわけありませんが、一言ずつ、不幸にしてこういった形の事故が発生した場合の、乗組員なり乗務員の方々とこういった事故調査との関係、どういったふうに関係していったらいいのか、どういうふうに協力していったらいいのかということについて、先ほどお話もお伺いいたしましたけれども、改めていま一度、重大インシデントを加えるという話と今申し上げたことについての御意見を、もう時間が余りありませんので一言ずつで恐縮でありますが、お聞かせいただければと思います。

○清水参考人 事故が発生した場合、現場の方の人間が思うことは、まさしく原因究明と再発防止というただその一点でございます。したがいまして、事故発生後の事故調査委員会の体制は先ほど言ったような体制を望みますし、体制を強化しないと早く調査も進まないし事故原因の追求もできない。加えて言えば、その事故調査のときに当たって、現場のノウハウを一番持っている航空会社の職員等についても、積極的にそういう現場の立場の方から関与させるべきだというふうに思っています。これは時々誤解があるかもしれませんけれども、航空事故を起こした当該会社に関しても、決して、その原因なんかについても秘匿するとかそういうことじゃございません。あくまでも原因追求ということですので、そこで持っているノウハウについては積極的に活用してもらいたいというのが現場の方の気持ちだというふうに思います。
 以上です。

○川本参考人 一言で申しますと、アネックス十三の規定にございますとおり、事故発生時とその当該人等の関係につきましては、事故調査をする目的が再発防止にあるということで、罪や罰を科するのが調査の目的ではないという、いわゆる調査の目的に沿った趣旨で事故調査を進めていただきたいというのが私の意見でございます。

○大村委員 ありがとうございました。
 それでは、きょうお聞かせいただきましたお話をしっかりまた法案審議に生かしていきたいと思います。どうもありがとうございました。

○赤松委員長 次に、伴野豊君。

○伴野委員 民主党の伴野豊でございます。
 本日は、家田先生、清水先生、佐藤先生、川本先生、貴重なお時間の中、お出ましいただきまして、御意見を聴取させていただきましたことをまずもって御礼申し上げます。ありがとうございました。
 座って発言をさせていただきたいと思います。お許しください。
 安全は輸送業務の最大の使命である。これは多分、鉄道あるいは航空を初め輸送業界で働かれる方が職場に入られてまず先輩からたたき込まれる、そういう言葉ではないか、今も多分この精神は引き継がれているのではないかと思います。ですから、だれしも事故を起こしたくはない、あるいは事故が発生してほしくはないと思うわけでございますが、歴史的に見ましても、残念ながら一〇〇%なくなることはなかなか難しいのかな。
 そういった意味で、今社会情勢をかんがみたときに、高齢化、それから一つのシステムとして考えた場合に、いわゆる輸送システムと申しますのは総合技術産業システムであり、そこの中に複雑化、複合化してまいっている部分もある、技術的なレベルからすれば、ハイテクとローテクが混在する、また労働集約という面から考えれば、これはまさしく労働集約産業でございます。そういうような社会的な流れの中で、また国際的な観点からすれば、家田先生が論文の中でもお書きになっているような、いわゆる被害の回復の困難性というような場合も発生してまいります。これは命だけに限らず、システム自体を破壊する、あるいは社会に甚大な被害を及ぼすというようなことも今後考えられると思います。
 そういった観点の中で、私自身は、航空事故調査委員会をつくるならば、中途半端なものにしてはならない、世界に冠たるものであっていただきたい、そういう願いから、きょうもいろいろ先生方のお話を承っていたわけでございますが、二、三、ポイントをかいつまんでいろいろ質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、航空の方からお二人の先生方に御意見をいただきたいと思うのです。
 まず清水先生から、お話の中にもございましたが、事故調査委員会の位置づけというのは非常に大きなポイントではないか。いわゆるアメリカのNTSBは、私は一つの見本にしていいものではないか。そのスタッフの規模あるいは権限の与え方、アメリカも八年をかけて見直しをしたということでございます。その位置づけについてどういうお考えをお持ちであるか、いま一度お聞きしたい。
 それから、正確な情報を事故の現場から入手するという意味では、いわゆる事故調査と犯罪捜査、これが非常に難しい境界であるわけでございますが、ポイントは免責処分のあり方だと思います。この点についても御意見をお聞かせいただきたい。
 さらに、さきの航空の管制の問題、いわゆるニアミスにおける空域、管制の見直しのお話も出たんですけれども、それについて一元化が可能かどうか、そんなような観点。現在、民間と自衛隊と米軍、これとの兼ね合いがあろうかと思うんですが、そのあたりの御意見を清水参考人からお聞かせいただければありがたいと思います。

○清水参考人 三点、御質問いただきました。
 私、先ほど申し上げたんですけれども、日本型のNTSBを目指すべきだということについては、今伴野委員の方からございましたように、やはりアメリカの方も、ここについては随分内部でいろいろな確執があった中でここにたどり着いたというふうに聞いております。あくまでも、先ほど言いました独立性、権限の強化、それから体制強化、この三点なくして日本の航空を初めとする事故調査については前進がないというふうに思っています。
 とりわけ独立性のところについて申し上げれば、国土交通省の中に属する機関ということになりましたが、最終的に、調査をしていった中で、恐らく、今国土交通省の中に属しているということであれば、事故が発生したときの国土交通省の、例えば職員の動員のしやすさであるとか、あるいは、そもそもそういった事故については国土交通省が扱うんだということもあるかもしれませんが、いろいろな形で事故原因の解明が行われれば、間違いなく国土交通省というのが許認可を含めていろいろなことをやっているわけですので、そこに原因があるということを内部調査のような形にならざるを得ないことも発生するんじゃないかということを危惧いたしますので、この独立性についてはまず何をおいてもやるべきだと思います。
 加えて、体制の強化についても、先ほど申しましたとおり、やはり日本は、日本とアメリカ国民ではいろいろ違いがあるかもしれませんけれども、アメリカという、世界に冠たるNTSBという形で事故調査については絶対的な形での信頼を得ている機関があるわけですので、多少言い方は悪いんですけれども、恥ずかしがることなく、まねるところはきちんとまねた上で必要な措置等を行っていくべきだというふうに考えています。
 それから二点目の、事故調査原因と免責の件ですが、ここについては、先ほど申しましたとおり、あくまでも真実を語っていただかないと原因究明は進まないというふうに思っています。恐らくここは、国民の皆様からしても一番関心の高いところだと思います。そこの真実を語った上で、原因分析までいった上で、日本の事故調としても再発防止策を早く、建議等行わなければいけませんし、各国の航空局あるいはメーカー、運航会社に対して、一刻も早く勧告を出すべき責務があるというふうに思っていますので、早く真実を語ってもらうために免責制度、これについては刑事訴追の疑念を早く払拭した上で、そこを進めるべきだというふうに思っています。
 三点目の、空域、それから管制の一元化のところですが、管制については、先ほど言いました国土交通省、自衛隊、米軍、三つでやっていまして、それぞれ引き渡し等を行っておりますが、ここについては、国土交通省が全体を総合的に見ることによってそれぞれに情報を与えていく、それによって民間航空機の運航についての安全性については飛躍的に増大するというふうに思っています。それは空域というものとは違うけれども、管制の話になりますが、やれるというふうに思っています。
 以上です。
スポンサーサイト


  1. 2008/02/03(日) 19:50:54|
  2. 軍事 平和|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)

| ホーム |

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。